高校を卒業し、介護の仕事に就いて10年。もともと希望していた仕事だったため、多くの利用者に喜んで頂き、感謝してもらえる日々に満足していました。相手の顔が見える仕事には、それなりにやりがいを感じてもいました。
しかし、30歳を前にして結婚、家庭を持つことになりはじめて自分の収入が世間一般と比較しても少ないことに危機感を持ち、転職活動に取り組むことにしたのです。

学歴がない、職歴もない
最初に大きな壁にぶち当たりました。高卒ですぐに介護の仕事を始めた私の経歴は、いざ転職活動をするとなると、売りにならないことに気づかされました。
もちろん、同じ介護業界への転職であれば話は違ったかもしれませんが、今の日本社会においては需要がある割に年収の低い水準の業界です。もうこの業界で仕事を続けるわけにはいかないと思い、転職サイトであちこちにエントリーを試みました。
しかし、多くの求人が必須条件として大卒であることや、営業経験が数年間あることなど、今の自分には足りない要素が多く、書類選考すら通過できないことが相次ぎました。
自分なりに真面目に生きてきたつもりではありましたが、ここまで社会から評価されないプロフィールであることを知り、悲しい気持ちにもなりました。
学歴不問、未経験歓迎の求人から
それでも、同じように学歴がなく、職務経歴も少ない私のような人材に合う求人もみつけることができました。
「学歴不問」「未経験、大歓迎」を謳った求人です。
ですが、知人から、そのような求人の大半は、「手足さえあれば誰でもいい、といっているようなもので、ロクな仕事ではないと思う」とアドバイスされ、慎重に見極めることが大切だと感じました。
そんな中でも、いくつか興味を持つ仕事があり、数社にエントリーして面接に臨みました。実際に面接を通過できた中の1社が、とある運送会社だったのですが、そこではドライバーとしての求人案件に応募し、内定を頂くことができたのです。
スキルも、経験もいらない
昨今、社会問題となっているドライバー不足問題から、大手運送会社の下請けとしてドライバー業務を行っているその会社に入社すると、数週間の研修を経てさっそく現場に配属されました。2トントラックを運転しながら、自分に割り当てられたエリアで品物を配送する、とてもシンプルな業務です。
そこには特別なスキルも、経験も不要で皆が横一線でのスタートでした。
仕事の精度を上げるのは、車の運転技術の差よりも、街のことを知ること、でした。どんな道があるのか、どんなマンションがあるのか、宅配ボックスがあるのか、ないのか。など、こまめな情報収集を続けるうちに、配送スピードは自然と上がっていったのです。
慣れるにつれて、自分が世の中から必要とされていることを実感できて、やりがいも感じられるようになりました。
年収は大幅UP。そして・・・
気がつけば、入社した当初と比べると、1日に2倍のボリュームの物品を運ぶことができるようになり、年収は一気に上昇しました。
ざっと前職の2倍です。妻も喜んでくれて、転職は成功した、と考えています。
時々、毎日ずっと同じことを繰り返す日々に対して、このままでいいのか、とか、歳を取っても同じような体力仕事ができるのか、と不安になることもあります。
ですが、所長からは「皆が同じ不安な気持ちを持っている。会社としても、安心して長く働くことができる環境を作ることに、全力で取り組んでいきたい」という話をもらいました。
この仕事を続けていき、将来設計も自分の力で行っていけるようになりたい。
今は、そう考えて真剣に仕事に向き合っています。
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