転職活動において重要なのは、その人が持っている経験値やスキルが、求人企業の求める要件に合致するか否か、ということ。求人を出す側の企業にとっては、やはり新卒とは異なり即戦力を求める中途採用においては、いかに職場にスムーズにジョインし稼働するか、という点に重きを置いた選考が主ではあります。
しかし、スペックやスキルは必須要件をクリアしているのに、入社してから周囲の人間関係や職場環境に馴染むことができずに長続きしない、というケースも散見されます。決して、それ「だけ」で転職の成否が決まるというわけではないのです。

受け入れ体制がどうなっているか
よくあるパターンとしては、圧倒的に人手が足りずに募集をかけていた求人の場合、そもそも入社したとしても教える人材が枯渇しているという状態だったりします。
教えるべき立場の人間まで現場に駆り出され、1人1人の業務負荷が極大化してしまっている、そんな職場が求める人材となると、これはもう文字通り「即戦力」です。
大体、そんなカツカツの職場を選ぶべきではないという考え方もありますが、もしそのような求人を出している企業に興味がある場合には、求められる人材要件を確実にクリアしていることが大前提として必要になるでしょう。意欲だけでどうこうなる話ではない、ということです。そういう意味でも、それぞれの求人についての募集背景は、必ず確認しておくべきですね。
同じ課題でも取り組み方に差がつく
そうではなく、ある程度組織体制がしっかりしていて、中途入社組に対する教育体制、研修制度などがしっかり整っている企業であれば、ある程度は入社してからの努力でカバーできるものです。
例えば研修時に出された課題に対しても、単純に黙々と課題だけをこなすタイプの人間と、その企業における実際の仕事と結びつけて考えたり、周囲の先輩や上司にたくさん相談しながら課題に取り組むようなスタンスの人間とでは、研修の終盤では明白な差がついているはずです。
企業側は、このように積極的に課題をみつけて取り組む姿勢の人材を常に欲しがっています。なぜなら、入社してからの成長曲線がまったく違ってくるからです。ダイヤの原石のような人材は、育て甲斐もあって重宝されるはずです。
たくさん質問をする、自分から動く。自分から機会を作ってチャレンジする。そんな取り組みができる人材は、多少経験値やスキルが劣っていても、補って余りある活躍ができるのです。面接時には、その意欲を見られているという点については、どのような求人であっても意識しておくと良いでしょう。
誰だって最初は未経験
世の中には色々な仕事がありますが、当たり前のことですが誰だって最初は未経験者ですよね。
別の企業でその仕事に携わっていたのかどうか、という点は、確かにアドバンテージではあっても絶対的な価値かと言われると、悩ましいところです。
確かに、まったく野球をしたことのない人間が、30歳くらいになって「プロ野球選手になりたい」と願っても、さすがに絶対的な経験値・スキル不足でその夢は叶えられないでしょう。
ですが、例えば15歳くらいの年齢で、まだまだ身体は成長期にある中で、陸上やサッカーなど、その他の競技に一生懸命取り組んできた選手であれば、あるいは転身して成功する可能性はあるかもしれません。日本では、単一競技で練習するが当たり前ですが、アメリカなどでは複数のスポーツを掛け持ちしているアスリートがゴロゴロいます。一つの競技で培った基礎多力や考え方、努力するというスタンスが、他の競技でも生きるわけです。
これは、転職市場においても似たような事が言えるのではないかと思うのです。誰もが最初は未経験。では経験さえ積めばどうなる?ということを、採用する側は今一度じっくり考えてみるべきです。
“一緒に働きたい”と思われる人材とは
あくまで仕事ですから、そこに人間的な好みを混同すべきではないという採用に対する考え方をする企業もあります。
簡単に言えば、「イヤな奴でも能力があるならば迎え入れる」というわけですね。
しかし、実際に職場で働いているのはロボットではなく血の通った人間です。
新しく加わって、初めは右も左もわからないという状態の時に、謙虚な姿勢で教えを請う人と、横柄な態度の人と、どちらが一緒に働きたいと思われるでしょう?
私たちが思うよりも人間とは単純な生き物で、うまくコミュニケーションを取れる相手というのは朗らかで、優しい人物です。もちろん、能力も十二分に必要ですが、それだけでは務まりません。
“うちの会社に入ったとしたら、長続きできるかな?”という、面接官の悩みどころに対していいイメージを持たせることができるのは、必ずしも経験豊富でスキルがあるかどうか、だけではなく、コツコツと努力するだけの熱量を持っている人材かどうか。周囲のメンバーがその人を認めて仲間に加えようと思ってくれるか、にかかっているのです。
仕事に対する熱量さえあれば、多少のビハインドは補うことができる。
その覚悟感を持って、自信を持って、自己PRしてみてはどうでしょうか。