いい求人をみつけて、履歴書や職務経歴書を用意して郵送した。数日後、「残念ながら当社の選考基準には満たず・・・」という、不採用通知が届く。こんな経験をすると、さも自分自身が人格否定されてしまったようなブルーな気持ちになってしまう方もいるのではないかと思います。もちろん、求める要件とこれまでに積み重ねてきた経験や持っている知識がズレている場合には、戦力として活躍するのが難しいかもしれません。しかし書類選考で切られる理由の中には、年齢や性別、学歴などといった「肩書き」だけでダメだとジャッジされることも多々あるのです。

差別がはびこる職場で快適に過ごせるか?
そもそも、そのようなジャッジを人事が平気でするような場合には、自分が働くことになる職場が、常時人を肩書きで判断し、先入観を持って接することが恒常化しているようなところである可能性が高くなります。「**大学出身だから、これはできないよね」とか「女性にはこの仕事は無理だろう」みたいなことが“日常的に”会話として成立してしまっているような職場、どう思いますか?これだけダイバーシティだ、個人の尊重だと謳われている時代に、あまりにも古臭い価値観ではないでしょうか。学歴だけで、性別だけで、年齢だけの理由でバツをつけられるような企業であれば、入社してから後もことごとくそのようなレッテルありきでの人選が続く可能性が高くなるわけです。最悪のケースだと学閥があったりして、出世できる人間は最初からレールに乗った社員だけ、というパターンもあり得ます。
本質を掴む力が弱い
人事といえば、その企業内で最も人の「目利き」ができるはずの人間です。そんな人達が大事な採用活動において、ごくごく単純な情報(学歴や性別、年齢、国籍など)を頼りに選別するのだとすれば、その企業には人材の本質的な能力を見抜く自信がない、と吐露しているようなものです。もちろん仕事ですから、効率を求めるためにという言い訳もあるでしょう。でもそれが、例えば年齢制限を35歳と置いていたがために優秀な36歳の候補者を取り逃がした時の損失を補ってくれるものではないのです。採用活動において、広告出稿費用や会議室の手配費用、面接官のアテンドによる人件費など、1人の応募を集めるためにかけてきたコスト、手間を考えると、1件のエントリーをもっと大切に扱う意識が出てくるはず。それを惜しみ、もしくは面倒だと考えて捌くことしかできないのは、採用活動自体がやらされ仕事になっているからです。自分が身銭を切って募集をかけたという意識があるなら、たった1人の応募でも本当に自社にマッチしていないか?と必死に考えるはずです。
その他大勢にカウントされる
人気企業、有名企業である場合には、何十、時には何百人ものエントリーが重なり、人事の本音として「こんな大量のエントリー、捌き切れるはずがない」という嘆きの声になってしまっているケースも多々あります。そんな人気企業であれば当然採用の門戸は狭く激戦になります。ある程度、わかりやすいフィルターでふるいにかけるしかない、という理屈にもまあ納得できますね。しかし、人はモノではありません。何十人、何百人エントリーしてこようが、その1人1人にはその人の人生があり、この成否如何でそこから先の人生が大きく変わっていくのです。でも、そんな個人の「感情」は圧倒的な応募数に埋没されます。仮にフィルターをくぐり抜けて選考までたどり着こうが、いや、内定が出て入社に至ったとしても、ずっとそこから先も「数多いる人材の1人」でしかありません。替えはいくらでもいる、“その他大勢の社員”の1人でしかないのです。特定の個人に依存しないビジネスフローにすることが大企業にとってのリスクヘッジですから、これは当然といえば当然の話なのです。
先入観・偏見を持たない企業を探せ
その反対に、仮に高齢であろうと、外国籍であろうと、女性であろうと、中卒や高卒、Fランクと呼ばれる大卒であろうとも、「やる気さえあれば採用する」「実力さえあればまったく問題ない」と、本質的な要件を見極めようとしてくれる採用活動を継続している優良企業もたくさんあります。あなたが自己分析をきちんと行なった上で「この求人に自分の能力や経験は合致するはずだ」と感じた上でエントリーした求人について、企業側も「確かにフィットする可能性があるので、一度面接しましょう」と、前向きに考えてくれるところがきっとあるはずです。もしダメだとしても、「この経験の部分が、うちの求める経験値とは異なります」と、不採用の理由をまっとうにフィードバックしてくれたりします。これだと、不採用と言われても納得できますし、次への学びにもなりますよね。人材を人『財』と表記し、いかにも人を大切にしますというPRをする企業は山ほどありますが、本音で向き合ってくれて、本質的な部分でジャッジしてくれるような企業こそが、本当に人を大切にするところ、なのではないでしょうか。
求人倍率が厳しくなっている昨今では、どうしても書類選考の時点ではじかれてしまう、という嘆きの声をよく聞きます。考えようによっては、そんな肩書きだけで判断するような企業に入社しなくて良かった、とも言えます。慌てず腐らず、じっくり検討してみてください。