子供の頃から憧れていた教師になる夢を叶えた私。しかし現場で待っていたのは理想とは違う厳しい現実でした。毎日のように続く残業、週末も部活の引率で友人と会う暇もない日々。このままずっと定年まで働くのは無理だ、そう悩み抜いた末に民間企業への転職を決意し、過重労働から解放され健康的な生活を取り戻すまでの道のりを振り返ってみます。

夢に向かって一直線。〜教師という憧れ〜
私は幼い頃から学校の先生に憧れていました。自分が小学生だった頃、担任の先生が生徒一人ひとりを大切にし、時に厳しく時に優しく導いてくれた姿が心に深く残っています。「いつか自分も子供たちの未来に寄り添う存在になりたい」——それが私の将来の目標になりました。高校卒業後は教育学部に進学し、教職課程を順調に修了。大学在学中から教育実習やボランティア活動を積極的にこなし、教えることの楽しさとやりがいを実感していきました。そして大学卒業後、念願叶って地方公立小学校の教員として採用されました。
採用当初は希望と情熱に満ち溢れていました。初めて担任を受け持ったクラスの子どもたちは活発で、教えるたびに目を輝かせる様子が嬉しくてたまりませんでした。保護者との関係も良好で、子どもたちの成長を間近で見られる充実感は何物にも代えがたいものでした。私は「自分は天職に就いた」と実感していました。
理想と現実のはざまで・・・次第に募る違和感
しかし、3年目を迎える頃から、徐々に理想と現実のギャップに苦しむようになっていきました。日々の授業準備や教材作成、行事の運営、部活動の指導、保護者対応、校内外の会議、さらには事務作業まで、その業務量は膨大でした。定時退勤など夢のまた夢。授業が終わってからが本当の仕事の始まりという日々が続きました。
さらに、保護者からのクレーム対応や理不尽な要求にも心をすり減らしていきました。教育現場の過重労働や精神的プレッシャーは以前から問題視されていましたが、自身が当事者になることでその深刻さを痛感しました。プライベートの時間は削られ、疲労が蓄積し、休日も仕事のことで頭がいっぱいになる。「子供たちの成長を支えたい」という純粋な思いは変わらなかったものの、心身のバランスを崩しかけていました。
転職を決意。新たなフィールドへの挑戦
ある日、体調を崩して休職を余儀なくされたことで、私は自分の働き方を真剣に見直すきっかけを得ました。「教師でなければならない」という固定観念から解放され、視野を広げてみると、民間企業にも教育に関わる仕事は多く存在していることに気付きました。企業研修の講師、eラーニングの教材開発、人材育成コンサルタント、教育系のIT企業など、自分のスキルが活かせる場は思いのほか広かったのです。
そこで私は転職エージェントに相談し、履歴書や職務経歴書を作成しました。面接では教師時代に培った「わかりやすく伝える力」「多様な人と信頼関係を築く力」「計画的に物事を進める力」を強みとしてアピールしました。数ヶ月の転職活動の末、教育系IT企業のカスタマーサクセス担当として採用が決まりました。入社初日から感じたのは「業務時間の管理が徹底されている」ということでした。定時退社が当たり前で、休日はしっかり休める環境に新鮮な驚きを覚えました。
健康を取り戻した新生活。後悔なき選択
転職から1年が経った今、私は心身ともに健康を取り戻し、生活の質が大きく向上しました。
朝はゆったりと朝食をとり、退社後は趣味のスポーツや読書、友人との食事も楽しめるようになりました。睡眠不足に悩まされることもなくなり、体調も安定しています。「以前は子供たちに元気な姿を見せたいと思いながら、自分自身が疲弊していた」と振り返ります。
もちろん今も教育に携わっている自負はあります。顧客の課題解決を支援する中で、教材開発や研修プランの改善提案を行う日々は、教師時代とは違った形で人の成長を支えている実感があります。「もしあのまま無理を続けていたら、今ごろ心も体も壊れていたかもしれない」と思う一方で、教師時代の経験が今の仕事に大いに役立っていることを実感しています。転職は決して逃げではなく、自分の人生を守るための前向きな選択だったのです。
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