近年、副業を認める企業が増加し、「副業前提の転職活動」が一般的になりつつあります。しかし、転職後に思わぬ制約に直面するケースも少なくありません。この記事では、副業を前提として転職する際に確認すべき4つのポイントを紹介します。労働条件や就業規則、社風の理解、副業との両立の可否など、後悔しない転職を実現するための実践的なチェックリストをお届けします。

副業容認の実態と雇用契約の確認
副業を前提に転職活動を行うにあたって、まず最初に確認すべきは「その企業が副業を明確に認めているかどうか」です。副業容認の姿勢を見せている企業が増えてきたとはいえ、すべての企業が積極的に推進しているわけではありません。
求人情報に「副業OK」と記載されている場合でも、実際には業務に支障が出ると判断されると制限されることがあります。企業によっては「申請すれば可」「業務時間外かつ同業種NGであれば可」など、細かい条件を定めているケースも多く見受けられます。
このため、面接や内定前の段階で「副業の可否」と「その具体的な条件」を人事担当者に確認することが大切です。また、雇用契約書や就業規則に「副業禁止」の条項がないかを必ずチェックしてください。企業によっては、コンプライアンスや情報漏洩リスクの観点から、名目上は副業可であっても実質的には難しい環境であることもあります。
さらに、2023年以降は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(厚生労働省)が改訂され、企業側の明示義務も強化されました。この背景からも、法的な視点で副業を認める動きは進んでいる一方で、社内規定との整合性を個別に確認する必要があります。
副業と本業のバランスをどう取るか
副業前提の転職を成功させるためには、「本業との両立可能性」を見極める視点が欠かせません。いくら副業を推進している企業でも、本業の拘束時間が長すぎたり、休日出勤が常態化していたりすると、副業に割ける時間は限られてしまいます。
たとえば、残業が月40時間以上の職場では、副業のパフォーマンスを維持するのは難しいでしょう。勤務時間外に副業を行う以上、自身の健康やライフスタイルへの影響も考慮する必要があります。心身に無理がかかれば、本業と副業の双方に悪影響が出てしまうからです。
そのため、転職先の企業が「労働時間管理」にどれほどの配慮をしているかを調べることが重要です。有給取得率、フレックスタイム制の導入状況、在宅勤務の可否など、柔軟な働き方を認めているかどうかが、副業との両立のカギになります。
加えて、実際に副業を行うことを想定し、日々のスケジュールをシミュレーションしてみましょう。平日夜や週末の時間をどう活用するか、1週間にどれくらいのリソースを副業に投下できるかを具体的に描いておくことで、現実的な判断が可能になります。
職場の文化・風土と副業への理解度
副業可の企業であっても、「職場の文化」や「上司の価値観」によっては、副業に対する理解度に大きな差があることもあります。制度としては副業を認めていても、上司やチームメンバーが否定的であれば、心理的なハードルが高くなる可能性もあります。
例えば、「副業している=本業に集中していない」といった偏見を持つ上司の下では、副業がやりにくくなるケースもあります。また、副業の内容が公開されることにより、周囲との関係性に影響を及ぼすこともあります。
こうした状況を避けるには、企業風土や上司のスタンスを事前に把握する努力が必要です。転職口コミサイト(例:OpenWork、ライトハウス、転職会議など)を活用したり、面接時に「副業をしている社員はいますか?」「副業へのサポート制度はありますか?」と質問したりすることで、一定の情報を得ることができます。
さらに、社内報や社外イベントなどで社員の副業実績を紹介している企業もあります。そうした事例がある場合、副業を前向きに捉えている可能性が高く、風通しの良い職場であると判断できます。
副業の内容とリスクを再確認する
副業前提での転職では、「副業の内容」も再検討の対象になります。特に「同業他社に関する業務」や「競業にあたる可能性がある活動」は、雇用契約上の制約に抵触するリスクがあるため注意が必要です。
たとえば、本業がIT企業で、副業として他社の開発業務を請け負う場合、機密情報の取り扱いや利益相反の観点から問題になることがあります。副業を行う際は、本業と利害が競合しない内容を選ぶことが原則です。
また、副業の収入が一定額を超えると、税金や社会保険の手続きが必要になります。住民税の納付方法によっては会社にバレる可能性があるため、確定申告や住民税の「普通徴収」などの対策も検討しましょう。
さらに、副業によって発生するリスク(納期遅延、品質トラブル、体調不良など)を事前に想定し、契約や作業範囲の管理を明確にしておくことが重要です。個人事業主として活動する場合には、損害賠償保険の加入も視野に入れておくと安心です。
「やりたい副業」と「できる副業」にはギャップがあることを理解し、本業とのバランスや法的リスクも含めて総合的に判断することが求められます。
まとめ
副業を前提とした転職は、今や特別な選択肢ではなくなりつつあります。しかし、実際に成功させるためには、雇用契約の確認、労働時間の管理、職場の文化、副業の内容とリスクなど、慎重なチェックが不可欠です。自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を実現するためにも、形式的な「副業OK」だけにとらわれず、実態を見極める姿勢が求められます。転職活動の段階から、将来の副業との両立までを見据えた準備をしておきましょう。
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