美容の専門学校を卒業したものの、実家の印刷会社で人手が足りず、父に勧められるがまま入社し、しばらく事務の仕事をしていました。毎週月〜金の9時〜17時、自宅横に事務所があるため、勤務条件としては世間相場と比較しても申し分なく、従業員の皆さんも私が幼い頃から可愛がってくださっていた顔見知りばかり。たいしたストレスもなく、何の不平不満はない日々だったのですが・・・。

一番身近な親友の悩み
美容師になりたい、という子供の頃からの憧れの気持ちがなくなったわけではなかったものの、日々の生活には満足していて、実家暮らしなので貯金も順調にできていたため、次第に私は美容師になりたかった気持ちも忘れかけていました。
そんなある日、専門学校時代の同級生で、最も仲の良かった親友と久しぶりに食事をする機会がありました。
そこで、美容師になった彼女が、当月いっぱいで退職するという話を聞きました。彼女はもともと肌が弱い体質で、手が荒れてしまい日常生活にも支障をきたすほど両手の肌が痛んでしまっていました。どうしてもシャンプーなど水を扱い続けることになる美容師の仕事を、これ以上続けていくことができないということでした。
やりたくても続けられないという彼女の悔し涙を見て、私の気持ちに小さな変化がありました。
人生は一度きり。やらない後悔はない
自分はやろうと思えばできるのに、安易な道、楽できる道を選んで満足してしまっていた現状を恥ずかしく思いました。
人生は一度きりです。
彼女のように、やりたくても挑戦できない人もいる。
なのに私は、やる前から自分の本心に蓋をしてしまって、やる前から諦めてしまっていました。
彼女からは、”チャレンジできるなら、できるうちにしたほうがいいよ”と、涙ながらにアドバイスしてもらいました。この一言で、私は今更ですがやっぱり美容師になりたいと心を決めました。
自宅に戻り、両親に打ち明けました。
きっと叱られる、と思っていたのですが、父も母も”子供から自分の夢を実現したい、と相談されてダメだという親がどこにいる?”と、快く了承してくれました。後から聞いたのですが、母は自分からこうしたい、と言い出さない限りは、安直な憧れの気持ちだけで続くような仕事ではないからと、こうして私が自ら動き出すのを待ってくれていたそうです。
時計は戻らない。でも、未来は変えられる
同世代の専門学校時代の仲間は皆店長になったり、自分の店を開いたりしていて、年齢的には遅すぎる転身だったと思いますが、縁あって働くことができたお店で、最初は見習いから毎日シャンプー、カットの練習に明け暮れました。お給料はガクンと減りましたし、これまでのように出社ギリギリまでお布団でゆっくり寝ることなんてできなくなりました(笑)。
でも、自分がずっとやりたかった仕事にチャレンジできる。
こんなに嬉しいことはありません。
毎日、モチベーション高く仕事に取り組むことができています。
お客様からは、ときどき”元気があっていいね”と、きっと(もう少し静かにしてくれないかなあ・・・)という本音のささやかなお言葉を頂いてしまいますが(笑)、これからも精一杯がんばろうと思います。
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