学生時代から希望していたコンサルティングファームに就職して順風満帆に思えた私の人生は、あっけなく崩れ去りました。ある程度厳しい環境で働くことに対する覚悟はできていたつもり、でした。しかし想像以上にハードな日々、長時間残業や休日出勤が続いていく中で、次第に私は何のために働いているのか、わからなくなってしまったのです。

お客様の役に立てないというジレンマ
私だけではなく、コンサルティング企業に来るのは、そもそも仕事に対する思い入れが深く、仕事が大好きで志望してくる人ばかり。
新人だからといって甘えることは許されず、最初から担当クライアントをつけてもらって最初は意気揚々と仕事に打ち込むことができたのですが、クライアントからすれば高いフィーを支払って経営を立て直したいと考えておられるわけです。
担当が新人だから、経験がないから、という言い訳はまったく通用しません。上司に同行してもらっての打ち合わせは、ほとんど理解できないような専門用語が飛び交う中、ひたすら議事録をとるので精一杯。
「最初はそんなものだから」と励まして頂いたものの、お客様のお役に立てている実感などまったく持てないまま、業務量だけがどんどん増えていきました。
私が担当じゃなかったら、このお客様の事業はもっと前に進めることができたのではないか?そんなジレンマが、ある意味仕事への原動力となっていきました。
無理と言い出せない性格が災いして
先輩や上司に比べると圧倒的に知識と経験が足りないことは明白でしたので、昼夜を問わず調べ物をしたり、インターネットで情報収集する日が続きました。朝は6時台に出社して、夜は終電まで。タクシーで帰宅になることも何度もありました。
休日に友達と会うこともできず、だんだん何のために仕事をしているのかさえわからなくなってしまいました。
これ以上は無理です、と言い出せない頑固な性格も災いして、なんとしてでも独り立ちするんだ、自分の力で仕事をやり遂げるんだという思いで仕事に執着しすぎた結果、胃に穴が開いて倒れてしまったのです。
身体の酷使も問題でしたが、それ以上に精神的にやられてしまっていたのです。産業医からは、3ヶ月間ほどの休養を言い渡される結果となりました。
入院して仕事を離れる。そして気づいたことが。
しばらく入院することになり、職場から完全に離れる生活が始まりました。大きな総合病院でしたので、私のような症状の人間だけではなく、様々な病気やケガで入院されている方とたくさん出会い、いろいろ会話しました。
そこで、ふと気づいたことがありました。
私があれだけ固執して、体裁に拘ってきた仕事は、長い人生において当然大切なことではあるのですが、「たかが仕事」だ、ということです。
生きたくても生きられない方が、この世の中にはたくさんいらっしゃいます。そんな方々から見たら、健康に毎日仕事ができるだけでも十分幸せなことだと思うのです。その仕事がうまくいかない、お客様の期待に応えられていない、という私が抱えていた悩みなんて、とてもちっぽけなことだったと気づいたのです。
たくさん悩んで、たくさん頑張ったらいいや、と。
でも、何よりも大切なのは健康な身体と心。
それがなくては、仕事なんてできないんだ。
職場に復帰してから、私は無理矢理にでも帰社する時間を決めて、休日出勤も取りやめました。不思議なことに、それ以降仕事が順調に回せるようになってきたのです。お客様からも「何だか表情がイキイキしているね」と褒めて頂いたり、すべてが好転したように思います。
これからも自分らしく、無理なものは無理だと割り切って、そして、どんなことがあってもいい意味で「たかだか仕事だ」と思って、頑張っていこうと思います。
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