数年前の思い出話になりますが・・・新型コロナショックによる緊急事態宣言で、当時は日本中が自粛ムードに追いやられていました。10年勤めた飲食店が、無念の想いで閉店することになりました。
オーナーはじめ従業員の仲間ともいい関係性で、ここでずっと働きたいと考えていた矢先の出来事で、閉店の話を聞かされた時はまさに青天の霹靂。これからどうやって生きていこう・・・と、途方に暮れてしまいました。

オーナーの厚意で新たな道を探る
10年間勤めてきたこの会社には、感謝の気持ちでいっぱいで、最後の最後までお世話になりました。従業員の行く末を心配してくれたオーナーさんが、ご自身のご友人や取引会社など、あちこちに声をかけて回ってくださったというのを知ったのは、閉店予告の少し後のこと。
寝る間も惜しんで、毎日あちこちに電話したり訪問したりして、私たちのために頭を下げて回ってくださっていたそうです。その事実を知った時は、涙が止まりませんでした。また、そこまでして探してくださった新しい働き口を、私たち従業員の1人1人が大切な選択肢として真剣に考えるようになりました。オーナーと従業員の結束の強さが、最後の最後まで発揮されたのだと思います。
未経験でも、やるしかない
いくつか提示を頂いた中で私が選んだのは、とあるプラスチックの加工業者さんでした。自宅から通勤可能なエリアに会社があったことと、事業の将来性に惹かれました。このコロナ禍においても、飛沫感染を防ぐためのパーテーションやフェイスシールドなど、様々なニーズに応える商品を開発し続けていて、業績はまったく落ち込んでいないとのことだったのです。
もちろん、プラスチック業界なんてまったくの未経験です。専門用語もわかりませんし、営業マンとして採用して頂いたものの、営業活動自体も初めての経験となります。しかし、このご時世でああだこうだなどとは言っていられません。私は雇って頂いたことを恩義に感じ、必死で働いてオーナーへのご恩返しをしたいと考えました。
「仕事がある」ありがたさ
コロナ禍で職を失った、というのは何も私たちだけではありません。日本中、世界中で同じような憂き目に遭った方がたくさんいらっしゃいますよね。自分だけが不幸だ、なんて落ち込んでいても何も変わりませんし、明るい未来は見えてこないでしょう。大切なのは、これから何をするのか。幸い、私にはオーナーという味方がいてくださり、凹んでしまってなかなか行動に移せないというタイミングを経験することなく、転職活動に入ることができたのです。
新しい勤務先で、私は毎日するべき仕事があるという事実をとてもありがたく感じています。前職とはまったく異なる仕事内容で、手順にも戸惑いがあって忙しい日々ですが、その「忙しい」ことこそが、自粛期間中にはずっと感じていたことでしたので・・・。今後は、自分にとって大切な仕事に一刻も早く慣れて戦力となるべく、頑張っていきたいと思います。
家族の笑顔が活力に
総労働時間でいくと、飲食店の頃のほうが長かったことは間違いありませんが、不慣れな仕事で覚えるべきことも多く、毎日ヘトヘトになって帰宅します。この不況下でもありがたいことにご発注頂くことが多く、残業も多々ありますので、帰宅した頃には子供はすっかり寝ついてしまっていて、寝顔しか見られない日もたくさんあります。
ですが、家族と一緒に食事をしたり、他愛もない話で寛いだりしていると、この家族の笑顔を見るために仕事を頑張ろう、と思えます。幸い、営業先には親切なお客様が多く、同世代のお客様ですとお互いの家族の話になったりもします。休日に遊びにいくスポットを教えて頂いたり、ちょっとした瞬間にも幸せを感じることが多くなりました。
店舗で接客してきた経験は、営業行為とは異なるものの、対人でのコミュニケーションを取るスキルとしては共通する部分も多く、今になって思うと良い経験ができたものだと感じます。同じように、接客業から営業職に転職しようとしている方も、このご時世なので多数いらっしゃるかもしれませんが、ぜひこれまでのご経験はムダになりませんので、自信を持ってチャレンジして頂きたいと思います。私も、ますます頑張っていきたいと思います。