これからの社会は“BUCA時代”だと言われます。BUCAとは・・・Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字を取った言葉で、変化が激しく、あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生する将来予測が困難な状態を指しています。「大企業に就職すれば安泰」というのはもう過去の話、これからの時代は「自分の身は自分で守る」という意識が大切になります。
今回は、これから新たな働き方のスタンダードとなっていくであろう「パラレルワーク」に注目してみたいと思います。

パラレルワークとは?
最近、巷でも少しずつ耳にする機会が増えてきた「パラレルワーク」という言葉。まだまだ市民権を得たとは言い難いほどの普及度合いではあると思いますが、色々と不安定な経済状況が続くこの時代では、新たな働き方として注目を集めています。
経団連も終身雇用はもはや守れない、と宣言したこの社会では、もはやひとつの会社に就職し、定年まで何十年もの間、何の変化もなく働き続けるということはナンセンスな話になりつつあります。人生の中で、新しくやりたい事ができたり、結婚したり、子供ができたり、はたまた親の介護が必要になったりと、誰しもが何かしらの変化を経験するでしょう。そんな環境の変化、進化があるのに、こと仕事に関しては相変わらずずっと同じことの繰り返し・・・というほうが、むしろ不自然な状態かもしれません。
パラレルワークとは、1つの会社、1つの仕事に縛られることなく、2種類以上の仕事を同時並行で手掛ける働き方を指します。これまた最近流行の兆しをみせている「副業」と異なる点は、その2種類の仕事に主従関係がなく、「本業」を複数掛け持ちするという点になります。昨今、この「パラレルワーカー」が活躍する土壌ができつつあるのです。
最大のリスクヘッジに
パラレルワークの利点を挙げるならば、「安定」の一言に尽きるでしょう。
いやいや待ってくれと。有名企業に勤めるサラリーマンのほうがはるかに安定だろう、と考える方がまだまだ世の中では多いかもしれませんね。しかし、数年前にSHARPやJAL、東芝が債務超過に陥ったり経営破綻するなんて、誰が想像したでしょうか。
“VUCA”=変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の時代と言われる現代社会では、『次の一手』など正確に予測するのは不可能です。1つの会社、1つの業界、1つの仕事に依存する働き方というのは、極めてリスクが大きくなるのです。そのため、複数の仕事を複数の業種、職種などに跨って行うことは、どれか1つが機能不全になっても持ち堪えるリスクヘッジ策となるわけです。
「選べる」自由を得る
大企業で働くということは、勤務地、仕事内容、そして上司を選ぶことはできません。不本意ながら家族と離れて単身赴任しながら、嫌いな上司と、希望もしていない部署で働く・・・。それもこれも、家族を養うため。こんな我慢一徹のモーレツサラリーマンも、今後は“絶滅危惧種”となるでしょう。
自分の特徴や長所を生かした仕事を選び、好きな場所、好きな時間に、好きな取引先を自分のチョイスで決めることができる。人間、このように自分で選び、自分で決めることができるということは、とても幸せなことです。これまでのサラリーマンの働き方だとなかなか実現できませんでしたが、今後はより自由に働き方を自分でデザインする、ということが主流となっていくのではないでしょうか。能力のある人のところに仕事は集まりますから、フリーランスとなってもどんどん仕事が舞い込んでくるのです。
複数の仕事が相乗効果に
例えばエンジニアなど、リモートワークとの相性が良い一部の職種では、既にこのパラレルワークが普及しつつあります。大手企業でも、自社で優秀なエンジニアを高給で雇い続けるよりも、必要なタイミングで、必要なプロジェクトを動かす際に外注するほうがはるかに効率的で、良い成果に繋がることを認識しています。優秀な方ほど組織を抜け出し、フリーで自分の力で仕事を創るという動きになっていくでしょうから、ますますパラレルワーカーは増加するでしょう。
そして、パラレルワークにはまた違う観点でのメリットがあります。
それは、まったく異なる複数の仕事を請けることで、意外なコラボレーションが生まれることがある、という話です。
例えば有名芸能人でも、歌手としての顔と俳優としての仕事、どちらも並行して行っているタレントは相乗効果でどちらもどんどんメジャーになっていく、といった現象が起こります。それと同じで、複数のまったく異なる仕事をすることが気分転換にもなり、1つの仕事だけでは気づけなかった視点を持ったり、新たな知識を得たりと、様々な相乗効果に恵まれるのです。
人脈がそれぞれのジャンルで拡がっていくことで、ビジネス上でのマッチングができる機会もあるでしょう。こう考えると、パラレルワークには多数のメリットが存在します。今後の生き方で悩む方は、選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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