高齢化社会が押し寄せ、終身雇用制度も崩壊へ一直線の日本社会では、今後40代、50代、さらには60代などシニア層の転職活動も増加していくはずです。長年の社会人生活を経て培った経験やスキルを武器に、堂々と転職をー。そんな思いはあっさり覆されるでしょう。事はそう簡単にはいきません。転職を実現するためには、細心注意と準備が必要となるのです。

「前の会社ではこうだった」成功体験とプライドがジャマをする
「郷に入っては郷に従え」という諺がありますよね。こんな諺があるという事は、「郷に従う」ことがいかに重要で、そして難しい事なのかを示唆しているといえるでしょう。「前の会社ではこんなやり方ではなかった」「以前は自分のやり方でうまくいった」「こんなルールは間違っている!」過去の成功体験(それも、もう何十年も昔の話・・・)にしがみつき、新しい職場に馴染もうともせず、頭ごなしに周囲のメンバーに反論したり、主張を押し通そうとしたり。こんな人物を世間ではまさに『老害』と揶揄したりします。プライドが高い人間に限って“まさか自分自身が老害呼ばわりされるなんて”と、大きなショックを受けて立ち直れなくなってしまったり、自暴自棄になってしまったり、殻に閉じこもってしまい周囲とのコミュニケーションを遮断してしまったりします。こんな人物を採用しようとする企業なんて、現れるはずもありません。
学ぶ意欲の低下、情報のアップデートができない
知らない単語、事象、スキルに出くわすとそれらを学ぼうともせず「(そういう事は)若い人に任せるよ」「自分達の世代にはこんなのなかったからね」などと逃げの一手で新しい知識を学ぼうともせず身の回りから遠ざけようとする姿勢では、周囲との協調・協働など夢のまた夢。特にIT面に疎いシニア層は多く、「若くないからパソコンは苦手だ、スマホも使いこなせない」なんて言い張っているだけでは、周囲から信頼されて仕事を任されるようにはなりません。学ぼうとする姿勢に年齢など関係ないはずです。素直になって周囲に教えを請う気持ちを持つ事ができるのかどうか。新しい環境でビジネスパーソンとして成功できるか否かは、これまでの知識や経験に拠らず、むしろ入社してからのスタンスにあると言っても過言ではないのです。
年下の部下に素直になることができるか
異業種への転身となれば、いくらそれまでの仕事でキャリアを積み重ねてきたとしても、一旦は白紙、下っ端からのやり直しとなります。「いい年して今更そんなことができるか!」なんてプライドが邪魔をしてしまったり、自分の子供よりも年下世代の上司から指示されることにどうしても辛抱できなかったり。そんな見栄ばかりが先立って行動力を発揮できない人間は、いくら優秀で知識を持っていても企業にとっては「宝の持ち腐れ」でしかありませんし、周囲のメンバーにとっても悪影響のほうが強く出てしまいます。自らの立場を弁えて、卑屈になる必要などありませんが素直に、謙虚に学ぼうとする姿勢を持って毎日出社できる人材でなければ、人生後半に差し掛かったタイミングでの転職など成功するはずもありません。少し考えればわかるはずですが、カッとなってしまい客観的に自らを顧みることができずにいる人も多いようです。
スペック・スキル < 心構え
上記のように、シニア年代での転職活動を成功させるためには、当然それまで数十年の長いキャリアの中で重ねてきた経験、スペック、スキルが重要であることに異論はありませんが、むしろそれ以上に重要だと言えるのが新たな環境に飛び込む勇気、そして新天地で素直に学び、周囲と協力しあって成果を出すという気概、心構えにあるのです。その心構えさえあれば、多少経験の足りないジャンル、職種へのチャレンジであっても、十二分に活躍できる可能性はあるのです。今時の50代、60代なんて心身共に元気いっぱいなわけですから・・・。ぜひ、積極的な思考でチャレンジをしてくださいね。
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