50代、60代で転職する方は年々増えています。少子高齢化が進むこの日本では、今後ますますシニア層の就転職需要は増加していくことがほぼ間違いのない事として予想されています。
かつては転職といえば35歳までに、という“通説”があり、50代や60代での転職など不可能と思われていました。果たして、この令和の時代でのシニア転職は、どのようなマーケットになっているのでしょうか。

健康であることが大前提
シニア層の人材を採用しようと考える雇用側にとって、真っ先に気にするのは本人の健康状態。いくら仕事ができるとしても、健康に難を抱える人材を好き好んで採用しようと考える企業は皆無でしょう。
50代、60代ともなればどこかしらにガタがくるのも致し方ないことではあると思いますが、転職活動をスタートすると決めた時点で、まずは人間ドックへ行き身体のメンテナンスとチェックをしっかり行っておきましょう。もし身体のどこかにケガや病気がみつかったのであれば、そこは正直に履歴書には記載しておくべきです。
もし勤務中に倒れてしまうような緊急事態となれば、「なぜ知らせていなかったのだ」という事が大問題になる恐れがあるためです。
年収ダウンは否めない
どのような業種、職種を探していくとしても、基本的にシニアゾーンでの求人には、多額の報酬を用意されるケースはごく稀だという現実を理解しておく必要があります。
老い先短い・・・と言うと極論ですが、定年退職までの残された時間から逆算すると、企業にとってシニア人材の採用は、その人材の持つ経験値や知識を有形、無形の形式知として残すことはできたとしてもごく僅かな期間に限られてしまいます。後輩や部下へのマネジメント力を発揮できる期間も、若手マネジメント層の雇用と比較すると、圧倒的に短い期間でのみ実施できることになります。
また、残念ながら先にも書いたように突然の体調不良や病気で戦線離脱するリスクも、やはり若手人材よりは高くなっていきますから、総合的に加味すると高い報酬で迎え入れるということは非合理的な判断だということになってしまうのです。
子育てもひと段落し、家のローンも完済した状態であれば、かつてのように生活にそこまでお金が必要ではなくなっている方も多いはずです。年収以外の面でのやりがい、魅力に目を向けてみてください。
プライドを捨て謙虚でいられるか
「前の会社ではこんなやり方ではなかったのに!」
「私のほうが経験豊富なのに、なぜこんな若造の指示を聞かなくちゃならないんだ!」
「なんだ、その口の利き方は!敬語がおかしいじゃないか!」
こんな発言をしてしまうような『老害』を職場に置いておきたい、と考える企業など、あるはずもありません。
確かに職場を見渡してみると、自分の子供ほどの年齢の若手社員もいて、経験も知識も浅く、傍目で見ていると仕事の進め方もコミュニケーションの取り方も危なっかしい。
若手社員のために、よかれと思ってあれこれ口出しせずにはいられないというタイプの方がいるかもしれませんが、これはぐっと自制することが求められます。
会社側がシニア人材に期待しているのは、その豊富な経験を職場の仲間達とうまく融合しながら伝承してくれることであって、世代間のいがみ合いを増やしてほしいわけではないのです。
正論ごもっとも、しかし口うるさくて取っつきにくいオジサンだ。
こんなレッテルを貼られないようにするためにも、ささやかなプライドはさっさと捨てて、謙虚に教えを乞うスタンスでいるべきです。
ITスキルなど、若手社員から反対に教えてもらえることだってたくさんあるはずですから、助け合い、学び合いの精神が大事です。
能力のある人材は重宝される
夢も希望も感じられない・・・そんなネガティブな事を先にいくつも並べてしまいましたが、決してそんなことばかりではありません。
繰り返しになりますが、長年ビジネスの世界に身を置いて、試行錯誤を繰り返しながら多くのことを学んできたシニア人材の能力は、使い方次第ではとても貴重な戦力となります。
社長が右腕の参謀役としてアドバイスをしてほしい、と願うケースもあるでしょうし、営業部長として若手営業マンの育成を託されるケースだって山ほどあります。
要は、積み重ねたキャリアがどう活かせるのか、何ができて何ができないのか、そのあたりの自己分析をしっかり行って面接でのPRポイントを絞り込んでおくことです。
転職活動時の面接では、学生のそれとは異なり「何ができるのか」を問われるものですが、シニア層になればその傾向はより強くなります。
「私はこれができるので、御社ではこのように貢献できます」と言い切れるかどうか、が、シニア転職の成否を分けるポイントとなるでしょう。
様々な事情で、50代や60代に入ってから転職を検討することになる方も多いはず。採用マーケットがどのように変化しているのか、しっかりキャッチアップしておきましょう。
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