転職事例集

勇気を振り絞ってITベンチャーへ転職。“速度”のギャップに戸惑う日々も、成長実感が明日の活力に。

投稿日:2021-07-26 更新日:

大学を卒業し、大手の電力会社に就職した私は世間でいうところの『勝ち組』だと思っていました。

ところが、実際の仕事では顧客からのクレーム対応や、電力自由化に伴う競争の激化など、決して安穏と暮らせるような状況ではありませんでした。仕事のやりがいも感じられず、このまま定年までい続ける人生を良しとせず、あるITベンチャーへエンジニアの経験もないのにディレクターとして転職したのです。


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マニュアルがない、研修もない、用語集もない!

入社初日。社長と30分ほど面談し、「まあ、これから頑張ってくれよ」というお話を頂いてテンションが上がったのも束の間。配属された部署の上長からは、まず数日やってみて仕事を覚えてよ、というざっくりしたことだけを指示されて、混乱の日々が始まりました。

まず、業務に対するマニュアルが一切存在しなかったので、誰かに聞きながら一つ一つの業務をマスターする必要がありました。

入社数日は座学での研修でも受けさせてもらえるものと思い込んでいた私は、初日から何社かの顧客引き継ぎと対応を振られ、大パニックに陥ってしまいました。お客様と電話越しに会話しても、お客様が仰っている専門用語がほぼ理解できず、メモを取るので精一杯でした。

結果からプロセスを逆算する

近くの席の先輩から、挨拶がてら最初にこんなことを言われました。
「僕も最初は大パニックだったから、気持ちはよくわかるよ。でも、うちのやり方に慣れれば、すぐ仕事は楽しくなると思うよ。」と。社長も、上司も、その先輩も、私がこの事業について、一つ一つの業務について、何一つ理解できていないことは重々承知している、ということでした。

通常の座学であれば、1→2→3、、、と、手順を追ってプロセスを組んでいき、最終的にその業務が「10」という結果になるということを学べると思います。

ところが、このOJTの手法ではまず「10」がやるべき仕事だということだけが伝えられます。上司や顧客から、どんどん案件が降ってくるのです。そこで、この「10」を成し遂げるためには、何が必要なのか、を調べていく必要が生じます。「今回は1,5,8の作業でいけるね」とか「1~6までは前例があるから、それをコピーしたらいいよ」とか、先輩方から具体的なアドバイスを頂くことができました。

私の仕事はディレクション、つまり自分で手足を動かすのではなく、それをしてくれるエンジニアに仕事をアサインすることですから、「誰がどの業務を行うことができるのか」を理解し、「10」を作り上げるための最短のプロセスはどうすればいいか、を考えることができるようになればよかったのです。

1から順に業務内容を教わっていたら、日常で使わないようなスキルも出てくるでしょうから、仕事の理解はもっともっと時間がかかってしまっていたと今では思います。目指す結果があり、そこに至るために必要なプロセスを逆算するような考え方は、ここへ来て初めて学んだことでした。

即断即決、稟議書など存在しない

一番驚いたのは、いくつものプロジェクトが同時並行で進行しているのですが、要所で起こるエラーや追加予算の必要性について、各部署ともほぼ「即断即決」で仕事を進めていることでした。前職では仕事の大半とも思えた稟議書の山と格闘することなど皆無で、新人の自分であっても「Aか、Bか」をすぐにジャッジしなくてはならないシーンに多く出くわすことになりました。

うじうじ悩んでいる時間こそがロスになる、という価値観であったため、AかBかはつまるところやってみなくてはわからない、選んだほうを正解にする努力をしたらいいのだという社長の考え方には、あまりにも前職の“常識”とはかけ離れていて、最初は戸惑いました。

学校の授業とは異なり、仕事の多くは「こうすれば必ず正解にたどり着く」という手法など存在しません。だいたい、こうすれば必ずこうなるとわかっていることがあるならば、私たち人間がするよりロボットのほうが正確で素早く実行してくれますからね。

この即断即決という仕事の進め方も、自分の人生観にも大きく影響を与えてくれたと感じています。

さすがに、つい先日マンションを買うときには「即断即決」とはいきませんでしたが笑
転職によって価値観と時間の進み方が大きく変化したのですが、本当にいい機会を頂けたと感じています。

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